輪行の変遷と体験 ←
輪行形態の歴史
私の『はじめて物語』は、大学に入学した年だったと記憶していますから、1967年のことと思います。 帆布製輪
行ケースで、折り畳んだ大きさは、直径はおよそ20cm程で長さはおおよそ30cmほどの筒形状でした。 開いた輪
行ケースは桃太郎の誕生の姿で両ファスナーがあり、両側の内側には前後各々に車輪の収納用として半円形で
ほぼ外形と同じ大きさの袋が設けられ、外側にはペダルの収納部ポケットがありました。 その大きさは4、5cmの
マチがあり、上蓋にはロック金具が付けられた立派な物でした。 外側には幅3cm程の頑強な綴じベルトが2本立
てに通してあり、そのベルト上部には金属製のショルダーベルトの受けリングが縫い込まれていました。 ショル
ダーベルトは独立し取り外せるものでした。 軽量化よりも、利便性と堅牢化の時代でした。
分解のユニットは、前輪はフォーク付の状態でばらす為、ベアリングを抱え込んだリングとΩ形状の金具にクイッ
クリリースレバーが組み込まれた便利グッズでハンドルポストから抜き外した。
後輪はウイングナットを数回回してフレームから外しました。 ペダルは結構厄介で、専用のレンチで何回か回し
て外しました。 サドルの固定は当時からリリースレバーで簡単な方法でした。
印象に残る思い出
二つあります。 学生時代の出来ごとです。
一つ目は、日帰りで山形駅から蔵王山(1,841m)のヒルクライムをやり、白石駅側に越えた時です。 走行コース
のエコーラインから更に頂上まで延びる有料道路の表示板には自転車料金の表記が無く、尋ねると『自転車で
走行することは考えていないので・・・。 これからは自転車の利用料金も設定しないと・・・』。 ここは、利用料を
支払うことなく、特別に走行させて頂きました。 大変懐かしい出来事を思い出しました。
そして、二つ目は、当時自分以外の方とお会いした記憶は無く、輪行は稀だった様です。 東京の宿泊先から輪
行で東京駅までタクシーを利用した際、トランク収納をお願いし、座席に腰を下ろすなり、『最近はどうですか?』
と問われ、即答できずに苦慮したことを思い出しました。 きっと競輪の選手に間違われたものかと思います。